昼寝の功罪

寝れない。午後本を読んでいる間、二度も昼寝したせいに違いない。

小説は一定時間読んでいると眠くなる。それは退屈だからじゃなくて、脳が限界を迎えるからだ。ある瞬間を境に文字がシャットアウトされ、何も理解できなくなり、眠たみの暴力に屈服する。読んでいたのが怪奇幻想小説だったことも、脳の負担を重くしていたと思う。怪奇幻想は大体が色彩強めのけばけばしい場面の連続だから、視覚的な情報量が多くて処理落ちしやすい(しかしこの類の入眠は数ある入眠のなかでも一二を争うほどに気持ちいい)。眠りが浅かったのと、読んでいたものの影響で、リアルで鮮やかな夢をたくさん見た。現実の夜では人がいっぱい死ぬホラー映画を見て、生を儚み死に怯えた。やたらコントラストの強い一日だった。