主人公がジメジメしてる現代日本が舞台の小説

友人が勧めてくれた本を少し読みかけてやめた。主人公がジメジメしてる現代日本が舞台の小説が苦手だ。主人公がジメジメしてる現代日本が舞台の小説を昔書いてたからだと思う。ここの描写くどいなとか、このくだりは本当に必要なのかとか、手垢のついた文章だなとか、見る目がやたら厳しくなって全然入っていけない。あるいは単に合わない作家だったのかもしれない。

読んだ小説の内容は割とすぐ忘れてしまうけど、ふとした瞬間に現実に近い記憶として蘇ることがある。小説のワンシーンが別の小説のワンシーンを呼んで、感覚の渦に呑まれてバチバチに極まることもある。一人で外出しているときに突然そうなるので、道のど真ん中で立ち止まって目かっぴらいて息を荒げて茫然自失している人になる。怖い...

そもそも読書って、頭の中で起こってること(脳内物質的にという意味ではない)はドラッグやるのとほぼ同じなんじゃないか。ドラッグやりながら好きなシーンとか読んだらどうなっちゃうんだろう。いやドラッグ効いてる間は本なんかなくてもいいのか。本当は、ずっと忘れない夢を見て眠っていたい。