『無垢なる花たちのためのユートピア』

木夜から金土日と飲みつづけた。飲酒合宿を経て、飲酒許容量が増えたように感じる。精神も筋肉も肝臓も、破壊と再生を繰り返すことで強くなるんだなあ。鋼のように。鋼の精神ほしいな。あやっぱいらない。鋼の精神は夢を見なさそうだから。

読んでいる小説があんまりにも完璧で、例えるなら無瑕疵のガラス細工みたいに玲瓏として美しくて、この世界が開かれていることを嬉しく思うと同時に絶望する。絶望しながら書き途中の小説のようなものを2ヶ月ぶりに読み返して、腐った部分を繕いながら絶望する。私は私の世界を愛しているけど(というか。それだけが私にとってのリアルで、それがなかったらなにもかも土台から崩落するので、存在しない世界は私のために、私にだけは愛されていなければならない)、存在させるための語彙も技術も解像度もぜんぜん足りないから、美しい物語を読むと絶望する。まあこれは光の絶望なので、片想いの甘い痛みという感じで......いやそんなしょうもない。浸ってないで書けよ、なにごとも質の前に量だ。やっぱり鋼の精神がほしい。