記憶万華鏡

暗い場所の記憶は鮮やかだ。例えば夜の街、しっとりしたカフェやバー、明かりを消した部屋で見る映画、キャンプの焚き火、日没後のバーベキュー、前夜祭。でも、肝試しとか修学旅行の消灯後とかプラネタリウムとか、暗すぎるところは何も見えないからあんまり覚えてない。体育祭とか海水浴とか、眩しすぎるところはぜんぶ白飛びしてるから覚えてない。昼の室内の記憶はもっとない。いやどれも覚えてはいるけど、時間経過とともに掠れていく。

逆に暗い場所の記憶は脳内でどんどん醸成されて、あらゆる加工処理を施したSNSの風景写真みたいになっていく。たまに思い出してその鮮やかさに惚けたりする。だから今日みたいな美化記憶チャンス中は、未来の自分を自覚しながら現在の自分を生きる状態になる。つまり、見えている光のコントラストをめっちゃ上げ(たつもりになり)ながら、現在を思い出す未来の自分に思いを馳せている。あー今のこれ思い出して感動してるだろうな私。夜大好き。花火してよかった〜。

またしましょうね。