脳内ゾンビ

耳より先に目が起きることがある。例えば20:30にアラームをかけて起きるとき、ピピピピ、という音に起こされていることは確実だが、それは知覚されていない。「20:30」と表示されている画面だけを見るので、寝ぼけた頭で、うわ起きようと思ってた時間に自力で起きたよすごい!と思う。自力ではないしおそらくアラームは鳴りつづけている。そして二度寝して、20:40のアラームで起きる。「聞き逃したアラーム」に20:30の通知が入っているのを見てびっくりする。びっくりしつつ二度寝する。

脳には原始的な回路と高次の回路とがあり、原始的な回路は機能していても高次の回路に統合されなければ知覚できない(盲視の人の一部は、目が見えないにもかかわらず、手紙をポストの差込口に正確に入れることができる)。聞こえないアラーム音に起こされるのは、起床直後という意識があいまいな状態のせいで、音自体は聞こえてもその音が何なのかは知覚できず、聞こえないと錯覚するからではないだろうか。

と、書いてはみたけど、これは集中してるときに話しかけられても気づかないのと同じことだ。寝ているから「起きる」という反応があり、その反応と知覚できないことのギャップに不思議さを感じるだけで。そんなことより帰ってから21時前まで寝てたから寝れない。知覚する間もなく眠れる音楽がほしい。