別府

阿蘇から別府への山道は、180度カーブが至るところにある上にポールがあったりなかったりする冗談みたいな道だった。友人の運転がうまいので私は安心してはしゃいでいた。離れの露天風呂付客室を予約しており、友人は仮眠をとっていたので、一人で日本酒を入れた桶を浮かべて飲むやつをやった。ゆっくり飲んでいてもめちゃくちゃ酔いが回ってびびる。ところで露天に一人でいるときにしか感じられない感情があるが、言語化するのは難しい。根底に離人感があって、すべてに深く満足していて、スッと消滅するような死と概念的に輝く生を同時に思い浮かべている、贅沢な寂しさというか......。でも寂しくはあったので、起きた友人が入ってきて大歓迎〜!となった。

鶏天発祥の店で鶏天をたべ、地獄蒸しプリンをたべ、別府冷麺発祥の店で冷麺をたべた。湯の花作りの見学をして、日帰り露天に入り、血の池地獄を見た。血の池地獄は予想以上に鮮やかな赤だったが、でかいスピーカーから爆音で流れるドライフラワーがその場のすべてをぶち壊していた。空港でかるかんと由布院チーズケーキをたべて解散した。