謎缶パーティー

家に友達が三人来た。シャンパンを開けて謎缶パーティーをしたら、四つ足の生物が私だけになった。

一人は梅のミルク煮を当て、『チャーリーとチョコレート工場』のバイオレット・ブルーベリーみたいに膨張し(あまりに膨らんだせいで、テーブルがリビングからキッチンの廊下に押し出された)、ぱちん、と縮んで肥えた蝿になった。もう一人はシイタケの刺身を当て、泣くほど笑いながら冬虫夏草になって蝿に寄生し、のびのびと子実体を伸ばしていた。三人目は海胆のコンソメゼリーを食べて巣蜜になった。

私は揚げガムを当てた。嚥下した瞬間に全身の毛が抜けて、皮膚が卵の殻みたいに硬く脆くなった。うまく立てなくて転んだ拍子に右手首と両膝と足の指数本が壊れ、スライム状の内臓がでろでろと溢れ出し、巣蜜にかかって黒く変色した。その様はひどく艶やかだった。一般にアタリとされている謎缶の作用は、特殊な才能が開くとか強運の持ち主になるとか不老不死になるとからしいけど、元のおぞましい身体のままなら全部お笑い種だ。私たちを美しく変身させたこの4つの謎缶こそ、本当のアタリだったのだ。