丸い休日

友人宅に五泊もしている。お泊り会と居候のグラデーション上で色が混ざりはじめている。しかし気の置けない友人の家で過ごせるのは精神的にありがたい。太平洋の心。考えてみれば、一人家で過ごす休日は情緒が電球のスイッチみたいになってて、つまり世界を大賛美しているかうちひしがれているかの二択なのだ。前者の場合は意味なく笑っている(大体朝)し、後者の場合は毛布にくるまって停止している(大体夕方)。そして何をしていても根底に焦りがあり、ごはんを食べ忘れつづけ、元気がなくなっていく。今はニュートラル情緒でごはんを食べ忘れておらず元気。完璧な丸い休日!

一人でいると、現実を忌避しているのにそこから抜けきることはできない事実への焦りや、空想の不完全さに対する不安が際限無く膨らんでいく。でも人といるときはたのしいおいしいきもちいねむいを素直に享受できて快に満たされるうえ、頭の中が比較的静かに保たれるので、漠然とした悪感情が抑制される。気がする。人といるってすごい。健康的だ。その割に人といるってすごいってことをすぐ忘れてしまう。ずっと覚えておきたい。