発光

全身を包む肉が煌煌と輝き、皮膚が行燈に張った和紙の役割を果たしているので、列をなした私たちはかなり幻想的だ。存在を自覚してから、ずっと暗い道を歩かされている。暇で暇で、前後の数人とはすぐ仲良くなった。なんのために歩いているのかわからないから、その理由をあれこれ想像しあって遊んだ。

うっすらと世界が変わりはじめて、これが二つ前の人が言ってた死ってやつかと身構えていると、遠くに生物以外の光が溢れているのが見えた。私たちと違って、黄みも赤みもない寒々しい色だった。行きたくないけど歩くしかないから、眩しい方へどんどん進んだ。目が慣れるより光のボリュームが上がるほうが早くて、耐えきれず顔だけ後ろに回すと皆顔を歪めていた。その隙にふっと足場が無くなって、下向きの風に引っ張られ、青白い世界へ急落下した。

突然、硬い壁に後頭部をぶつけて目の前に星が散った。別の壁に右肩をぶつけ、次の瞬間には両ひざをぶつけ、腰と鼻柱と鎖骨と肘と足首と脳天をぶつけ、とにかく上下前後左右何もわからないまま身体中を壁に連打された。しばらくそうしていて、複雑な形の小部屋に入れられたのだと理解した。体は落下した勢いのまま、豪速で内壁を跳ね返り続けていた。跳ね返ることは苦痛じゃないけど、壁にぶつかるたび火花が散るせいで、少しずつ気力が削られている気がした。ふと友人の顔が蘇り、そうだ私たちが歩かされていた理由を突きとめなくちゃと思ったけど、めちゃくちゃな空間認識の中で何かを深く考えるのは無理で、すぐ諦めた。